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連続的な研究会設立の経験の報告と共有

これまでの診断士活動の中で、それなりの数の研究会やマスターコースの発起人となり、その設立と立ち上げに関与してきた。発起人とまではならずとも設立時から関わった研究会もある。その中には役割を終えた研究会やマスターコースもあるが、今でも継続的に運営されているものが多い。我が国では「創業は易く守成は難し」という中国の故事を引くことがよくあり、守成を高く評価する空気が醸成されているように思われる。しかし、いわゆる「0→1」(ゼロイチ)は今よりももっと高く評価されてもよいのではないだろうか。そのような思いを持ちつつ、研究会やマスターコースの設立活動を振り返ってみたい。

私は協会入会時より中央支部に所属しており、立ち上げに関与してきた研究会・マスターコースは中央支部のものである。まず研究会についてであるが、最初に設立したのは思想・哲学研究会である。これは現代思想や哲学を中小企業診断士が携わる実学に応用していこうという研究会であり、そのテーマ設定が異色であったと言える。中小企業経営経済研究ゼミナールは、研究会名の命名にも関与したが、中小企業診断士も積極的に学術活動へ従事するのがよいのではないかというメッセージを持った研究会だった。事業承継支援研究会は時流を意識したテーマで設立した研究会で、中央支部の研究会プレゼンテーションで賞をいただいたのも記憶に残っている。現在は東京協会の事業承継支援コンサルティング研究会となっている。同じく時流を意識したテーマでは、AI・人工知能研究会もある。


超一流講師と称している招聘講師陣

次にマスターコースであるが、最初に設立したのは企業内診断士次世代リーダー養成マスターコースである。このマスターコースは、企業内診断士が企業内で活躍することに焦点を当てたところに新規性があったと考える。今般、「新時代型」経営&チームコンサルティング実戦マスターコースを設立した。こちらは新時代の経営の最先端を行く講師から学ぶ形となっており、診断士中心の講師陣という従来のマスターコースとは差別化されたものになっている。

このように振り返るとニッチを狙ったものと時流に合ったもので占められていると自負している。これは創業の考え方と共通するものであり、研究会・マスターコースの設立においてシリアルアントレプレナーシップ(連続起業家精神)を発揮したものだと言えるのではないだろうか。オムロンのイノベーション推進本部インキュベーションセンタ長で京都大学経営管理大学院 客員教授の竹林一氏は、著書『たった1人からはじめるイノベーション入門』(日本実業出版社、2021年12月24日発行)で人材には起・承・転・結の4種類のタイプがあると述べており、大きくは「起・承」と「転・結」に分けることができるという。私の場合を例にとると、典型的な「起・承」タイプの人材に当てはまるのではないかと考えている。

これらの経験を報告し共有することで、「転・結」人材だけではなく「起・承」人材がもっと活躍し、東京協会や各支部における研究会・マスターコースの活動が一層イノベーティブに発展することを願って筆を置くこととしたい。

中央支部 木伏 源太

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