城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース(第2期)」~第5回の実施報告~
城南支部 大坪 要
10月28日、「中小企業SDGs支援専門家養成コース」第5回目の講座が開催されました。回を重ねるごとに、受講者がお互いのことを分かるようになり、今まで学んできた内容を元に活発な議論が繰り広げられました。講座の内容は以下の通りです。
◆SDGsの17の目標から1つを選んだ受講者による模擬講演
受講者11名が、それぞれご自分が選んだ内容について、5分程度の模擬講演を実施しました。森林問題、障害者問題、ジェンダー問題など、SDGsと絡めて講演を行いました。
◆ステップ2,3:優先課題の特定と目標の設定
SDGコンパスとは、企業がSDGs経営を進めていくための行動指針です。導入から測定、管理まで5つのステップで構成されています。今回は、その中で、ステップ2とステップ3の解説を受けました。ステップ2の「優先課題を決定する」では、①「自社の強みは何か」を考えます、②自社の強みを活かせる分野を探します、③企業としてどの「SDGs目標」に貢献できるかを考えます、④本業で利益を出しながら社会貢献もする方法を考えます、という4つの手順で優先課題を決定するということです。ステップ3では、優先課題に対して、「目標を設定する」発想や手法が解説されました。目標設定のアプローチとしては、インサイド・アウト・アプローチとアウトサイド・イン・アプローチの2種類があり、実践的な取り組み方として、フォアキャスティングとバックキャスティングの2つの手法があります。
◆優先課題(マテリアリティ)特定
「SDGs経営ガイド」(経済産業省)の中に、SDGs経営の実践 ②重要課題(マテリアリティ)の特定という項目があります。その内容は、自社にとっての重要課題(マテリアリティ)を特定し、関連の深い目標を見定めることで、自社の資源を重点的に投入することができ、結果として自社の本業に即した、効率的なSDGs経営への貢献が可能となると説明されています。
マテリアリティとは企業や組織が優先して取り組んでいく重要課題を意味し、自社の従業員、投資家、サプライヤーといったステークホルダーに対して、「わが社は、このような理由からこういった課題を重視視している」と伝えるものです。
◆目標を設定し、公表する
目標設定は4つのステップがあり、①目標範囲を設定し、KPIを選択する、②ベースラインを設定し、目標タイプを選択する、③意欲度を設定する、④SDGsへのコミットメントを公表する、で構成されています。
◆経営者ヒアリング
ファイン株式会社の代表取締役社長 清水直子様をお招きし、現状の会社の状況や事業承継後の経営に対する取り組みやSDGsの関わり具合などの話をお聞きしました。
講演終了後、2つのグループに分かれてSDGs経営の推進に向けた中小企業支援方法を議論しました。
我々のグループとしては、10年後に次の世代に承継を行うため、何を行っていくかを議論しました。経営理念の観点、製品開発の観点、経営基盤を支える観点で、重要課題(マテリアリティ)を抽出し、SDGsの視点を交えた取組について検討を行い、発表しました。
今回も前回同様、受講生同士の議論の中で、さまざまな学びがありました。次回からは、中小企業向けセミナーとして企画し、模擬講演を行います。各受講者がどのような講演をされるのか楽しみです。