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城西プロコン養成塾(JOPY)19期 商店街診断報告

~荻窪 教会通り新栄会:個性豊かな店舗がハーモニーを奏でるために~

城西支部 倉田 雅光

商店街および診断概要
当年度のJOPYの商店街診断では、荻窪(杉並区)にある商店街「教会通り新栄会」の診断を実施しました。JR中央線と東京メトロ丸ノ内線が乗り入れている荻窪駅の北口から程近く、近接する住宅街と駅を結ぶ主要な通りとなっている立地条件もあり、荻窪エリアに存在する22の商店街のなかでも特に人通りが多く活気のある商店街です。特徴としては、通りの名前の由来となっている天沼教会というシンボルの存在や、狭く曲がりながら続く通りに小さな店舗が集まっている様子から、こぢんまりとした親しみやすい雰囲気の感じられる独特な街並みとなっています。毎年、もちつき大会など独自の各種イベントを開催するなど、地域コミュニティの担い手としての役割も果たされています。

診断は、8月31日(木)のオリエンテーションから9月26日(火)の報告会までの約1か月にわたり、指導員2名+JOPY19期生15名の体制で実施しました。はじめに商店街会員アンケートや街頭調査(通行量および来街者アンケート、休日・平日各1日)を行い、アンケートに関しては39人の会員、287人の来街者から回答を集めることができました。その他商圏などの各種関連情報を含む調査・分析結果を踏まえ、全員で議論を重ね提案内容を検討し、診断報告書をまとめました。

教会通り新栄会

教会通りの街並み

天沼教会

天沼教会

 

 

 

 

 

 

 

提案骨子
一見すると賑わいもあり特に問題がないようにも思えますが、イベントや人通りの多さが必ずしも個店の集客につながっていないことや、店舗間のコミュニケーション不足、役員の固定化など、いくつもの問題を抱えていることがわかりました。その一方で、個々の店舗には、こだわりの素材、手作りの良さ、あたたかな接客など、さまざまな魅力を有する個性的な店舗が多く、アンケート結果からも、商店街全体の親しみやすさとあわせて、そこが大きな強みであることが確認できました。
そこで私たちは、商店街が目指す姿を「個性豊かな店舗がハーモニーを奏でる、人にやさしい地域密着商店街」とし、強みを活かしながら弱みを克服するべく、以下の6つの施策を提案しました。提案内容を決めるところでは議論に時間を要し、すんなりとはまとまりませんでしたが、結果的に現状分析から目指す姿、提案へとうまくつなげることができたかと思っています。

  1. 「教会通り」ブランドの確立
  2. 教会通り商店街ならではのイベントなどの実施
  3. 商店街に立ち寄りたくなる工夫・情報発信
  4. IT活用による仕掛け
  5. 歩行者に配慮した自転車通行
  6. 会員間コミュニケーションの活性化

診断を終えて
最後の報告会にはメンバー全員が参加し、一人ひとりが担当パートを説明しました。報告後に役員の方から「この短期間でよくこれだけのものをまとめてくれた」と好意的な反応は頂けたものの、その場で提案施策を採用するといったお話までには至らず、本当の評価はこれからだと受け止めています。
本原稿執筆時点で報告会から一月あまり経ち、11月初旬には荻窪で毎年恒例のクラシック音楽を通じた街づくりイベントである「荻窪音楽祭」が開催され、教会通りにもポスターがあちこちに貼られています。そうしたクラシックイベントとのコラボも「教会通り」ブランドの確立策として提案しましたが、まだ例年と異なる動きは表れていません。少しでも私たちの提言を活かしていただけることを期待しながら、今後も商店街がどう変わっていくか注目していきたいと思います。

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