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城南コンサル塾19期 実務実習(テレビ番組制作業)に参加して

城南支部 牧田 和泰

城南コンサル塾19期の塾生5名は、尾上満郎指導員、西中基子副指導員のもと、2023年10月4日から12月6日まで実務実習を実施しました。実習先は、主にテレビ番組を制作する都内の映像制作事業者で、映像制作の高い演出力や顧客対応力を強みに、事業を拡大させてきました。

実務実習の初日は、尾上指導員からの「実務実習は塾で学んだ知識やノウハウを実践する場である」という言葉で始まりました。前もって確認してきた7期分の財務諸表などについて、それぞれの見解を共有しながら事業者に対する理解を深めつつ、インタビューの準備を進めました。午後の経営者インタビューでは、社員各人の資質や能力、人間関係の構築力といった、個々が持つ人間力を大切にする考えや、他社に先駆けて新たな教育制度の導入を進めている状況などをお伺いしました。

実務実習2日目はインタビューの振り返りと意見交換を行い、全体の方向性を形作っていきました。実務実習3日目、執筆してきた内容を共有し相互評価を進めていたところ、尾上指導員から「戦略とは何か?」という問いかけがありました。群雄割拠する戦国時代を例にして、戦わずして勝つ方法や、次も勝てるよう被害を抑えた勝ち方を考えることだと教えられました。

この問いかけにより、私の中で企業はこうあるべきだという押し付けや甘えがあり、分析が不十分になっていることに気づかされました。無理をしすぎず、成果が期待できる戦い方を考えるためには、事業者の現状を正確に把握することが不可欠です。現状分析を重視するコンサル塾の教えを思い出しました。

その現状分析に最も苦労しました。たとえば、「演出力が強みです」と分析する場合、現状分析を徹底すると「事業者からはそう聞いたが、本当に事実だと言えるのだろうか?」という疑問が生じます。思い込みをやめ、事業者が演出を担当した番組を実際に視聴するなどして確認します。尾上指導員、西中副指導員の助言を得ながら、忍耐強く事実・推論・意見の切り分けを続けていくことで、現状分析の精度が向上していくことを実感することができました。

実務実習4日目までに、SWOTを練り直し、オンライン会議を活用しながら、各パートの磨きあげを進めました。ようやく実務実習5日目に経営戦略の骨子が固まりました。
迎えた最終日。事前リハーサルを行い、社長報告会に臨みました。現状分析や今後の施策を説明し終えるとすぐに、社長、副社長は社内に対応を指示しました。私は実務実習の開始当初から、協力いただいた事業者へ感謝の気持ちを表すために、早期に実行可能な提案をして事業者のお役に立ちたいと考えていました。そのため、提案が採用されてほっと安堵しました。

実務実習を通してコンサル塾の教えである「徹底した現状分析」の重要性が理解できたように思います。今では、現状分析のない提案はギャンブルと同じだと思うようになり、これまで自分がしてきた提案が恐ろしくなりました。今回の気づきを成長の契機として、これからも現状分析のスキル向上に励みます。そして、地域・社会から真に必要とされるコンサルタントを目指します。

このような貴重な気づきの機会を作っていただいた、事業者の皆様、尾上指導員、西中副指導員に実習生一同より御礼申しあげます。

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