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【令和6年度社会貢献事業】知的資産経営の手法を活用した持続可能な地域づくり支援

〜観光イベントを活用した新たな消費行動の創出〜

知的資産経営研究会 社会貢献事業PJチーム

知的資産とは、ノウハウなど財務諸表には表れにくい企業の強みをいいます。知的資産経営研究会は、知的資産を経営に活かすための支援と研究を行っており、知的資産経営の手法を「地方創生」に応用する探究を令和3年度から継続しています。地域や担い手の「強み」を整理・明確化し、地域の社会課題解決のためのアクションにつなげています。

令和6年度も研究会内で参加メンバーを募集し、廣瀬 勝夫会員、石田 充弘会員、齊藤 慶太会員、下地 貴之会員、山﨑 健二郎会員の5名を中心に活動を行いました。今回は一般社団法人ワインツーリズム(以下、「一社WT」)が対象でした。一社WTは、山梨県峡東地域(甲州市など)で地場産業のワインを活用した観光イベント「ワインツーリズム」を通じて地域活性化に取り組んでいる団体です。
東京都と山梨県の2拠点で活動する当研究会会員から一社WTの活動について紹介を受けたことがきっかけで本プロジェクト(以下、「本PJ」)がスタートしました。

【ワインツーリズムやまなしの一風景】

一社WTの活動目的は、単発的な観光イベントに留まらず、他地域の人々が「日常的に」この地域を訪れ消費を行う、持続可能で魅力的な地域づくりです。本PJでは、一社WTの活動理念に共感し地方が抱える社会的課題を一緒に解決してくれる協力者を増やす一助となることを目指しています。

今回は、一社WTへのヒアリングやワークショップ、提供サービスである「ワインツーリズムやまなし2024」の視察を通じて、地域や一社WTが保有する強み(知的資産)を外部の中小企業診断士が新たな視点で再発見し、将来ビジョンやアクションプランを明確にすることができました。
具体的な成果は、(1)ワークショップを通じて、一社WTが保有する人的資産(=人口減少時代における地域活性化の強い使命感に裏打ちされた「志」とチームワーク)がイベントを17年間継続できた成功要因の一つであったことを発見したこと、(2)現地視察を通じて、一社WTが保有する関係資産(=地域との信頼関係)の存在およびその構築プロセスを明らかにできたこと、(3)「人口減少時代における地域活性化」という一社WTの将来ビジョンを実現するために、一社WTの「知的資産のポートフォリオ組み替え」という方向性を示せたこと、特に「理事3名の間で暗黙の了解となっている経営理念や将来ビジョンを言語化して、伝えていく必要がある」との課題を発見できたこと、が挙げられます。

【一社WTの強み(知的資産)の整理】

一社WTは2024年9月に候補DMO(観光地域づくり法人)に登録されました。今後は、活動を維持発展させていくために、巻き込むべき関係者が増えていきます。一社WTのビジネスモデル:「観光イベントを活用して新たな消費行動を創出する」は、他地域にも展開できる仕組みです。完成した知的資産経営報告書を地域の社会課題の解決に積極的な産官学の幅広い方々にご覧いただくことで、協力や連携の促進が期待できます。当研究会も応援団の一員として支援を続けていきたいと思います。

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