大学生との協業による産官学民連携プロジェクト〜タマリズムプロジェクトに参加して〜

三多摩支部 中嶋 徹
1.活動の背景・目的
昨年から始まったビジネスモデル設計という大学の授業に参加し、実在する企業からピックアップした1社へ向けて学生が考えた新規事業の企画書に対するブラッシュアップ支援に加えて、新たにタマリズムプロジェクト(注)へ参加しました。活動の対象は、多摩地域にキャンパスのある大学生で、中小企業診断士の視点でビジネスプランをブラッシュアップし、実現性の高いビジネスプランを完成させることが期待されます。
(注)新型コロナウイルスが地域経済に与えた影響を打破し、地元の魅力を再発見することで持続可能な地域活性化を目指す産官学民連携プロジェクトのこと。実施するコンテストは郊外都市の課題に焦点を当て、「観光まちづくり」をテーマに設定。次世代を担う大学生などから成るチームからアイデアを公募して審査。さらに、コンテスト終了後も、自治体・観光協会・地元事業者とともに事業化を目指すもの。主体:多摩大学・ながしまゼミ、参加自治体:多摩市、稲城市、八王子市、日野市、町田市など
2.活動に至る準備と実施体制
(1)活動主体となる三多摩支部組織
組織は三多摩支部地域支援部の中から、今回のプロジェクトに参加している16名の部員で組織しています。
なお、コンテストの一次審査を通過した7大学10チームに対して診断士を1〜2名割り当て、伴走した支援を実施しました。
(2)外部協力者としての多摩大学の長島教授と学生
本プロジェクトの対象は学生であり、大学や学生の協力が欠かせません。このプロジェクトを創設した多摩大学からは、長島教授とプロジェクトを担当しているゼミの学生が外部協力者となって参加していただきました。
(3)12月15日(月) 東京たま未来メッセにてドラフト会議を開催
最終審査となるドラフト会議を実施し、特別賞1チーム、優秀賞2チーム、最優秀賞1チームが選ばれました。選ばれたチームを中心に、ドラフト会議にてマッチングした企業、自治体、外郭団体とさらなる企画の磨き上げを行い、翌年度に多摩地域の活性化に資する取り組みを実施していくことになります。

3.実施内容
(1)7月19日(土) オンラインにて顔合わせ会を実施
コンテストの一次審査を通過した10チームと、担当する診断士との顔合わせ会を実施し、今後の進め方などを話し合いました。
(2)7月19日〜12月15日まで 基本はオンラインにて伴走支援を実施
学生が企画したビジネスプランに対し、経営的な視点から主にマネタイズ(収益化)に対してブラッシュアップをしていきました。
4.活動の成果
(1)ビジネスプランの中で弱い部分をサポート
「この事業を継続していくための収益は確保できますか?」
「収入と支出の割合に無理はありませんか?」
学生として良いと思ったプランでも、第三者から見ると多くの指摘事項が見つかります。中小企業診断士からの質問は、自分の考えが及ばなかった分野に目を向けさせ、多くの気づきが得られたと思われます。
(2)社会貢献活動への参加
産官学民連携プロジェクトに対して、新たに中小企業診断士が加わることで、産官学民+士業連携という枠組みができました。既存の地域課題の解決や新たな技術開発、社会的なイノベーションの創出を目指す取り組みに、「経営」という視点が加わり、発展的で持続可能なプロジェクトの実現が可能になったと考えられます。
(3)学生に対する中小企業診断士の認知度向上
今回初めて中小企業診断士に出会った学生がほとんどです。学生のビジネスプランに対して的確な質問をしながら、プランのブラッシュアップ支援に取り組む姿を目の当たりにして、診断士の存在はもちろん、どのような仕事をしているのかなど、かなり深く認知してもらえた機会となったと思われます。
5.今後の活動
学生のビジネスアイデアは、多摩地域の社会課題を的確に捉えた提案も多く見受けられました。しっかりと地域の情勢を把握し、地域資源と観光を結びつけて課題解決に結びつけようとする真摯な姿勢はとても評価できました。
事業終了後には、「おかげさまで今年はレベルが上がりました」「今まで弱かった収益面の計画がしっかりできていたチームが多かった」というお褒めの言葉をいただくことができました。
今回も、多摩大学の長島教授の多大なる協力によって実施することができました。大学生向けのこうした活動をしていくためには、大学側の協力はもちろん、特定の教職員からの理解と協力がなければ実現は困難です。今後において、他大学等へ事業を横展開していくのであれば、これまでの実績に加えて他大学のコネクション活用は重要なポイントとなるでしょう。
以上