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中小企業診断士による社会貢献事業(ダイバーシティ研究会)について

三多摩支部 佐藤一樹

ダイバーシティ研究会では、昨年から社会貢献事業に取り組んでおり、昨年は認知症の方がホールスタッフをする「注文を間違える料理店」や性的マイノリティの方も安心して利用できる海の家「カラフルカフェ」などの、ダイバーシティをコンセプトにした飲食店を調査し、「ダイバーシティ・カフェでファンをつくろう」というセミナー動画を作成しました。2年目の今年はLGBTQ+など性的マイノリティの方々がさらに活躍するための、中小企業での取り組みについて調査、研究を行い、セミナー動画を作成しています。

日本における性的マイノリティの人口比率は最新の調査では10%(LGBT総合研究所「LGBT意識行動調査2019」)とも言われており、認識されているかどうかに関わらず、10人以上の規模の企業であれば当事者が在籍していると考えるのが自然です。しかし、当事者の方は生活する上で多くの困難や精神的な負担を抱えており、自殺未遂率は非当事者の約6倍と言われています。ダイバーシティ研究会には様々な特性を持ったメンバーがいますが、みんなが希望をもって活躍できる社会の実現に、中小企業診断士として貢献したいと考え活動を行っています。

2020東京オリパラを契機に国内意識も高まり、東京都では今年6月に同性同士やトランスジェンダーなど性的マイノリティのカップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」を導入する条例改正案が全会一致で可決されました。また、今年4月からパワハラ防止法が中小企業でも適用となり、その中でSOGIハラ※1やアウティング※2の禁止を従業員に教育することが義務付けられました。

現在の進捗としてはまだ情報収集の段階です。LGBTQ+の情報発信やネットワークの拠点であるプライドハウス東京レガシーや、認定NPO法人 ReBitが運営する就労移行施設Diversity Career Centerなどに研究会メンバーで訪問し、またLGBTフレンドリーな企業を紹介する転職サイトJobrainbowに求人掲載を行っている企業に直接連絡をするなどして、書籍やインターネットなどでは情報が得づらい、(大企業や海外の事例ではない)国内の中小企業における取組事例の収集を進めています。

また、多様な性をテーマにしたフリーペーパー「雨あがり」と共同で、ダイバーシティ研究会の独自研修メニューを開発し、大手製造業の上場企業でトライアル実施を行っています。こちらも動画セミナーと合わせて中小企業向けに提供していく予定です。
ご興味のある方はぜひ一緒に活動していきましょう。以下のメールまでご連絡ください。
ダイバーシティ研究会 代表 佐藤一樹 d-ken-jimu@googlegroups.com
※1 SOGI(ソジ)はSexual Orientation and Gender Identityの頭文字で、性的指向や性自認を理由としたハラスメントのこと。
※2 当事者のSOGIについて、本人の許可なく他の人に伝えてしまうこと。

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