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中小企業診断士による社会貢献事業
(工場診断研究会(こうば研))について

原価低減と収益強化のための戦略策定マニュアルの策定

城東支部 谷川 大致

工場診断研究会(通称こうば研)では、協会の社会貢献事業として「製造業における資材高騰対策」のテーマに取り組み、この度「中小製造業における原価低減と収益強化のための戦略策定マニュアル」が完成しました。


今回、当マニュアルを作成するにあたり、こうば研のメンバーで成功事例の収集を行いました。デスクトップ調査はもちろんのこと、現地にも赴きました。対象企業の選定では、中小製造業のなかでも最も過酷な環境下で経営されていると考えられるエリアに絞り、その企業の協力を仰ぎました。例えば、伊豆大島の椿油の製油所では、椿の実を絞った後の副産物を化学工場に販売したり畜産の飼料にしたり、自然の恵みを余すことなく使い切る企業の姿勢を学びました。現地を訪れ、目の当たりにしたのは地域に愛されている姿です。ご近所の住民が入れ代わり立ち代わり、袋に入れて椿の実を持ってきてくれるのです。製油所は椿の実の品質と重量をチェックし、それに合わせてお礼を渡します。椿油か現金と引換えです。現金収入の手段が限られている島嶼エリアでは、椿の実を現金に換えてくれる製油所はとてもありがたいそうです。この仕組みは、明治時代に島の眠れる資源を活かそうと、防風林として植えられていた椿の実を有効活用したのがはじまりだと聞きました。

SDGsへの関心が高まるなか、収益力の向上と両立させながら取り組む中小製造業の活躍がみられました。持続可能性を追求するなかで、自社の眠れる資源の活用の道を探り地域のコミュニティと連携する大切さが見直されているのではないでしょうか。

資材価格高騰に悩んでいる中小製造業の経営改善の手引きとなる当マニュアルは、2023年12月末から下記URLで公開しています。

◎中小製造業における原価低減と収益強化のための戦略策定マニュアル(https://amujp.net/)

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