BCP・CSR研究会の3月度例会報告
城南支部 安藤 一彦
~能登半島地震の被害と特徴、及び事業継続力強化計画への応用~
私は3月7日(木)に開催された3月度研究会例会に参加しました。全員で12名の会員参加があり、講師の佐藤誠吾会員から、「能登半島地震の被害と特徴、および事業継続力強化計画への応用」についての講和があり、以下にその概要を紹介します。
1.能登半島地震について
過去の地震活動と今回の地震の概要は以下の通りです。
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- 2022年6月19日にM5.4、2023年5月5日にM6.5、そして今回の2024年1月1日にM7.6
- 特に、能登半島北部の海岸地帯で数mの隆起が多く発生し、漁港の使用は困難と言われている。
- 珠洲市の地震ハザードマップでは、「30年以内の地震確率は震度6以上 0.3%」と言われていた。
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2.地震による事業への影響
1)東京商工リサーチの調査データ(2024/2)の概要を紹介します(調査対象は全国の企業)。
- 全企業:あまり影響がない 49.5%
規模別:あまり影響がない 大企業 50.7%、中小企業49.4%
____大いに影響あり 大企業 4.3%、中小企業2.9%
全体的に見て:サプライチェーンの混乱や取引先の影響が大、自社拠点の災害は少ない - 産業別:影響の多い業界は農林漁鉱業6.8%、不動産業6.0%、小売業3.9%
- 都道府県別:影響あり 石川県65.3%、富山県61.8%、福井県46.6%、新潟県35.0%
2)中小企業者向け支援
- なりわい再建支援補助金:経産省、各県(石川、富山、福井、新潟)
補助率3/4、補助上限:15億円(石川)、3億円(富山、福井、新潟) - 小規模事業者持続化補助金(災害支援枠)、4県商工会
補助率2/3、補助上限:200万円(直接被害)、100万円(間接被害) - 雇用調整助成金、伝統的工芸品産業支援補助金(災害復興事業)など
- 全企業:あまり影響がない 49.5%
3.事業継続力強化計画(BCP)に活かす
・事業継続の基本方針の明確化、人命最優先、重要顧客への供給継続、事業中断による事業影響
・新耐震基準(1981年、2000年)の違い
旧耐震 | 新耐震(’81年) | 新耐震(’00年) | |
震度5強 | 倒壊・崩壊なし | ほとんど損傷なし | ほとんど損傷なし |
震度6~7 | 規定無し | 倒壊・崩壊なし | 耐震性を強化 |