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中小企業施策研究会4月例会
令和6年度東京都中小企業振興公社の支援施策

中央支部 長岡 一太

中小企業施策研究会では、4月9日(火)に2024年度第1回の例会を開催しました。講師は、公益社団法人東京都中小企業振興公社・企画管理部の米澤 昭郎氏で、令和6年度の「東京都中小企業振興公社の支援施策」について講演いただきました。東京都中小企業会館の会議室とリモート接続を合わせ、約30名が参加しました。

当研究会では毎年、同公社に講演を依頼し、同公社の施策に関する情報をアップデートする機会を設けています。昨年度は11月でしたが、今年度は年度始めの4月に設定し、会員が事業者の支援にあたり施策を十分活用できるようにしました。

新年度、新たに設定された事業や拡充された事業を中心に主要施策をご紹介いただきましたが、ポイントは次のとおりです。

東京都の中小企業対策予算

  • 令和6年度の東京都の中小企業対策予算は4,750億円(対前年度:76億円減)
  • 内訳は、中小企業支援が1,156億円(対前年度:174億円増)、金融支援が3,594億円(対前年度:250億円減)

東京都「中小企業振興ビジョン」

  • 東京都の中小企業施策は、2019年1月に公表された「中小企業振興ビジョン」の5つの戦略に沿って設定
  • 5つの戦略とは、「経営マネジメントの強化」、「中小企業の成長戦略の推進」、「起業エコシステムの創出」、「活力ある地域経済に向けた基盤整備」、「人材力の強化と働き方改革の推進」
    社会情勢の変化などを踏まえ、ビジョンの各戦略の「施策の方向性」を整理

創業・新事業創出の分野

  • 令和6年度、人気の高い「創業助成金」の助成額上限を引き上げ、拡充
  • 「TOKYO創業ステーション」ではプランコンサルティング修了者を対象に、出口支援として販路開拓面などのハンズオン支援や助成金支援を実施
  • コワーキングスペースやプロトタイプラボを備えた「オープンイノベーションフィールド多摩」を国分寺と八王子に開設(2023年10月)

DX・デジタルの分野

  • 中小企業の生産性向上のためのデジタル技術活用や企業変革に向けたDXを推進するため、取組段階に応じた幅広いメニューを用意
  • 「2024年問題」を抱える運輸業、建設業などの中小企業者を対象に、デジタル技術を活用した生産性向上の取組をアドバイザーが伴走支援し、取組への助成も行う緊急支援事業を実施
  • ローカル5G導入による製造工程の自動化などの実現と、さらにその通信環境を再エネ・省エネ対策につなげる取組を4/5の助成率でモデル事業として支援

GXの分野

  • ゼロエミッションの実現に向けた取組に要する経費を助成するとともに、各企業の取組を担うリーダー人材の育成をセミオーダー形式で実施
  • 都内の中小企業を中心としたサプライチェーンが行うCO2排出削減の取組を、助成金支援やハンズオン支援で後押し

中小企業の再生・地域振興の分野

  • 経営改善計画として、創意工夫により既存事業を深化・発展させる計画を策定した事業者に、計画実現のための経費助成を行い、専門家派遣による運用改善などのアドバイスを実施

上記以外にも、経営課題別に、販路開拓や人材育成に関する施策の紹介がありました。講演終了後は活発な質疑応答があり、公社の幅広い施策への関心の高さがうかがわれました。米澤講師からは、事業者と施策をつなぐ存在として中小企業診断士への期待の言葉もあり、会員それぞれが、施策の活用場面をイメージしながら例会を終了しました。

※施策の詳細をまとめて知ることのできる資料として「中小企業支援(令和6年度版)」の紹介がありました。ご関心のある方は参照ください。
リンク⇒ https://www.tokyo-kosha.or.jp/kosha/public/jigyouguide/index.html

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