城南プログラムリアルセミナー『クリニック経営コンサルの基本』受講報告

城南支部 富永 周一郎
2026年6月9日(火)に、城南プログラム『クリニック経営コンサルの基本~未経験から始める、経営支援の第一歩~』が大崎の南部労政会館にて開催されました。講師は、中小企業診断士で日本医業経営コンサルタントでもあり、クリニック・中小企業の魅力発信ブランディングコーチとしてクリニックやその他中小企業のブランディング、開業支援、経営改善支援などを手掛けておられる奥野美代子会員です。
◆講義のゴール
はじめに、クリニックの経営診断の基本フレーム、課題の整理方法、必要な資料のリサーチ方法をそれぞれ理解すること、および我々受講者にクリニックの経営診断に取り組もうと思ってもらうことが今日のゴールであると示されて講義が始まりました。
◆講義内容:
Ⅰクリニック経営の特徴 Ⅱ経営診断のフレームワーク
Ⅲクリニック経営の6大課題 Ⅳ専門家との連携
Ⅴ顧客獲得・情報入手先
【Ⅰ クリニック経営の特徴】:基礎知識から収支構造のチェックポイントまで
病院と診療所(クリニック)との違いは入院病床数で区分され、19床以下もしくは無床が診療所(クリニック)であるといった基礎知識から、無床診療所の収支構造は一般的なサービス業と同じであり、各費用項目の売上比率に注目し、たとえば人件費は50%を超えると厳しい、建物や駐車場の賃料は10%程度に抑えるなどのチェックポイントまで教えていただきました。
【Ⅱ経営診断のフレームワーク】:実はクリニックの経営診断は取り組み易い!
クリニックの経営診断は一般的な中小企業の経営診断と同様の構成であること、分析資料が入手しやすいため実はクリニックの経営診断はやり易いこと(①JMAP(日本医師会 地域医療情報システム)や厚労省の動態調査、医療経済実態調査など、外部環境分析に使えるデータが豊富、②診療報酬計算に必要なため、内部環境分析に使える売上明細、患者の年齢、住所、主訴などの内部資料も充実)を学びました。
【Ⅲ クリニック経営の6大課題】:自分の得意分野で支援できる
マーケティング・採用・DX・組織づくりなどが課題として存在するので、自分の得意分野で支援できるという特徴があるとのことでした。
【Ⅳ 専門家との連携】全体最適のための医師と各専門家との橋渡し役
開業時には製薬会社や医療機器メーカーなどが無料コンサルを提供しているが、自社製品の販売目的もあり部分最適になりがち、開業後のサポートが十分に継続されないなどの問題がある。全体を見る人がいないので、医師と各専門家との間に入って橋渡しすることに、我々診断士が活躍できるニーズがあるとのこと。
【Ⅴ 顧客獲得方法・情報入手先】講師の経験にもとづく顧客獲得方法・情報源の入手方法を伝授
最後に、奥野会員が実際に経験してきた顧客獲得方法として、研究会や金融機関、知人(勤務医)から依頼を受けた事例のほか、研究会、医業経営コンサルタント資格、専門書、さらに厚労省や地方厚生局、日本医師会提供の情報源を紹介いただきました。
◆受講の所感
今回のセミナーは、講師の奥野会員の経験にもとづく事例や裏事情、診断士へのニーズなど、ここでしか聴けない内容が盛り込まれた興味深いセミナーでした。クリニックの経営診断は一見専門性が高そうで敬遠したくなるが、実は診断のための資料を入手しやすく、取り組みやすいとお聞きして、もしかしたら私にもできるかも・・・という思いを持ちました。今回学んだ知識をぜひ実践の場で活かしたいと思います。
