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  4. 能力開発推進部主催 2026年7月23日 能力開発基礎セミナー 「AI実務活用入門 ~AIで報告書、提案書を上手に作る方法~」 実施報告書

能力開発推進部主催
2026年7月23日 能力開発基礎セミナー
「AI実務活用入門 ~AIで報告書、提案書を上手に作る方法~」
実施報告書

中央支部 山崎 拓人

2026年7月23日(木)、中小企業会館で能力開発推進部主催の「能力開発基礎セミナー」が開催されました。『AI実務活用入門~AIで報告書、提案書を上手に作る方法~』というテーマで、Fulfill株式会社CSO/生成AI研修講師である徳山貴士氏にご登壇いただきました。
徳山氏は、Fulfill株式会社の複数事業の責任者の統括を担いつつ、生成AIの講師を務め、全国各地でAI勉強会を開催されているほか、日本旅館協会関西支部連合会や奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合でも講演を行われています。その豊富なご経験を基に、今回はAI実務活用について具体的な知見をご共有いただきました。
本セミナーでは、「AIで報告書・提案書を上手に作る方法」をテーマに、生成AIを実務で効果的に活用するための考え方や具体的な活用方法についてご講演いただきました。

(セミナー風景 ※スライド内の企業名はデモ用の架空のものです)

冒頭では、今回配布されたセミナー資料自体も生成AIを活用して作成されていることが紹介されました。AIを活用することで資料作成を大幅に効率化できる一方、最終的なブラッシュアップや修正は利用者が行う必要があります。しかし、適切なプロンプトやテンプレートを活用することで、その修正工数も大きく削減できることが説明されました。
続いて、ChatGPT、Claude、Geminiの3つの代表的な生成AIについて、それぞれ特徴や得意分野が異なるため、目的に応じて使い分けることが重要であるとの説明がありました。また、生成AIは「検索エンジン」ではなく、次に続く言葉を予測して文章を生成する「予測装置」であるという基本的な仕組みについても解説がありました。
講演では、架空企業「山田精密製作所」を題材に、実際にAIを用いて資料を作成する際のポイントが説明されました。画像生成やプレゼンテーション資料の作成を通じて、報告書や提案書など目的の異なる資料であっても、プロンプトを工夫することで用途に応じた成果物を作成できることが紹介されました。

とくに印象的だった内容として、資料作成では「役割」「目的」「想定読者」「分析観点」「出力形式」「ルール」など、いわゆる「質を生む7要素」を意識してプロンプトを設計することが重要であると説明されました。普段の対話では簡単な指示でも十分ですが、実務で利用する資料を作成する際には、これらの要素を明確に伝えることでアウトプットの品質が大きく向上するとのことでした。
また、診断士業務では経営診断報告書や提案書、金融機関向け資料などさまざまな文書作成が求められますが、共通のプロンプトやテンプレートを整備し、自身の専門的な視点を加えることで、効率化と品質向上の両立が可能になるとの説明がありました。AIを単発で利用するのではなく、標準化されたテンプレートとして業務に定着させることが重要であるという点が強調されました。

さらに、生成AIの利用におけるセキュリティについても説明がありました。企業の財務データや機密情報を扱う際には、企業名を匿名化することや、学習させない設定を利用すること、より高いセキュリティが必要な場合にはローカルLLMの活用を検討することなど、実務上の留意点が共有されました。また、生成AIの回答をそのまま利用するのではなく、最終的には利用者自身が内容を確認・判断することの重要性についても説明がありました。

質疑応答では、参加者から多くの実務的な質問が寄せられました。
決算書や財務データの取り込み方法については、資料を直接読み込ませる方法や、Claudeのワークスペース機能などを活用する方法が紹介されました。また、生成AIで作成した資料が似通ってしまうことへの対応として、デザインや表現方法を具体的に指示することでオリジナリティを高められるとの説明がありました。

さらに、Claudeで作成した資料をChatGPTでレビューさせるなど、複数の生成AIを組み合わせて活用する方法や、自身が作成した提案書からプロンプトを作成し、次回以降の業務へ再利用する方法なども紹介されました。
ホームページなどのWebサイトからの情報取得やAIエージェント機能、コンピュータユース機能についても質問があり、利用できる範囲や制約について具体的な解説が行われました。
最後に、AI活用を業務へ定着させるためには、単にAIを利用するだけではなく、自社や自身の業務に適したテンプレートやプロンプトを整備し、継続的に改善していくことが重要であるとのまとめがありました。

生成AIは単なる文章作成ツールではなく、報告書や提案書作成を支援する実務ツールとして活用できることを、具体的な事例を交えて学ぶことができました。とくに、資料の品質はAIそのものではなく、利用者がどのように指示を与えるかに大きく左右されることや、業務に合わせたテンプレート化・標準化が重要であることは、中小企業診断士の実務においても非常に参考となる内容でした。

また、生成AIの利便性だけでなく、情報セキュリティや最終的な内容確認の重要性についても改めて認識する機会となりました。今後は、本セミナーで学んだプロンプト設計や複数AIの活用方法を実務に取り入れ、報告書・提案書作成の効率化と品質向上につなげていきたいと感じました。

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