城南支部会員部イベント『大洪水の切り札「地下神殿」を見て自然災害を考えよう』開催報告

城南支部 渡邊 嘉久
2026年6月20日、城南支部会員部主催の『大洪水の切り札「地下神殿」を見て自然災害を考えよう』が開催されました。当日はあいにくの小雨の降る梅雨空でしたが、お子様連れのご家族も含め31名もの会員が参加され、集合場所であった東武野田線の南桜井駅は和やかな熱気に包まれました。
今回の見学先は、埼玉県春日部市にある世界最大級の地下放水路「首都圏外郭放水路」です。洪水を防ぐための治水施設であり、大雨時に河川の水を一時的に溜める役割を担う地下施設です。
【いざ、地下世界へ】
受付を済ませたあとは、まず2階の展示室でこの施設の概要をショートムービーや展示物で把握します。そして、その後、コンシェルジュの案内のもと約1時間の見学コースがスタート。まず驚かされたのは、地下へと続く116段の階段です。途中の階段は大変滑りやすいため、スマートフォンでの撮影は禁止というルールに参加者一同「なるほど」と納得。考えてみれば当然のことで、この施設はまさに「大雨時に川の水を一時的に蓄える場所」そのもの。私たちが歩いているこの階段も、ひとたび大雨が降れば水没してしまうのです。平時だからこそ歩くことができる、貴重な階段だと実感しながら、一段一段慎重に下りていきました。
【圧巻の「調圧水槽」】
116段の階段を下りきった先に広がっていたのは、まさに「神殿」と呼ぶにふさわしい光景でした。高さ18メートル、幅78メートル、奥行き177メートルにも及ぶ広大な空間を、59本もの巨大な柱が支えており、その荘厳な佇まいに参加者からは思わず感嘆の声が漏れていました。これは「調圧水槽」と呼ばれる施設で、洪水時に流れ込む大量の水の勢いを調整するための装置です。普段は人知れず地下に眠り、いざという時に首都圏を水害から守る—そんな縁の下の力持ちのような存在に、参加者一同、自然と背筋が伸びる思いでした。
コンシェルジュの方からは、この施設がどのような仕組みで洪水を防いでいるのか、また実際にどれほどの水量を処理してきたのかといった説明もあり、普段意識することのない「治水」という社会インフラの重要性を改めて学ぶ貴重な機会となりました。小雨の降る当日だったからこそ、なおさら「もしこの空間が満水になったら」という想像にもリアリティが伴い、参加者それぞれが大自然の脅威と、それに立ち向かう人間の知恵を肌で感じる時間となりました。
【幻想的な空間で】
巨大な柱群が等間隔に並ぶ様子は、まるで古代遺跡か近未来的なSF映画のセットのようで、参加者は思い思いに記念撮影を楽しみました。普段なかなか目にすることのない「縁の下のインフラ」を実際にこの目で見ることで、当たり前のように享受している治水の恩恵に、感謝の気持ちが芽生えた方も多かったのではないでしょうか。
このような貴重な学びの機会を企画してくださった会員部の皆様に、心より感謝申し上げます。雨の日だからこそ味わえる「地下神殿」の魅力、ぜひ皆さまも一度体感してみてはいかがでしょうか。