城南支部中小企業SDGs支援専門家養成コース
城南支部 笹尾 佳子
今回は第7回目の講義としてSDGコンパスステップ5として【報告とコミュニケーションを行う】と17目標の1つをテーマとして模擬講演を実施した。
1.SDGコンパスステップ5【報告とコミュニケーションを行う】講義
SDGコンパスの目的は、企業がいかにしてSDGsを経営戦略と整合させ、SDGsへの貢献を測定し管理していくかに関して、指針を提供することにある。指針は、企業がSDGsに最大限貢献できるように5つのステップを提示している。SDGコンパスステップ5は【報告とコミュニケーションを行う】であり、各企業が企業のステークホルダーのニーズを把握してこれに応えるために、SDGsに関する進捗状況を定期的に報告しコミニケーションすることが大事である。特に効果的なコミュニケーションの手法として企業のマテリアリティを基準にした優先SDGs報告事項のマッピング事例を通し、その達成度の重要性を理解した。関連知識として大手企業で実施されている統合報告書に関して詳細な講義があった。また、2030年までのSDGs達成に向けて国連開発計画(UNDP)が立ち上げた取り組みとしてSDGインパクト基準に関しての説明もいただいた(SDGインパクトの目的、SDGインパクト基準、SDGインパクト基準の概要、SDGインパクトの判断基準、SDGインパクト基準の特徴)
2.【演習】SDGコンパスなどのツールを活用した支援方法を考える
SDGコンパスのステップを活用し、企業にどのような支援をするか参加者とブレストを行い発表した。今回はSDGsを経営課題に突合させ、それを経営戦略としてどう社内に浸透させていくか、その浸透のための目標設定や進捗管理の方法に関してお互いにアイディアを出し合い、詳細に確認していった。特に経営者からのSDGsを推進するための背景、目的、その進捗状況などに関してコミュニケーションが非常に重要であること、社外のパートナーと早いうちから連携していくことで、取組みの影響力を高める視点も必要だといういう話になった。
3.17の目標の1つをテーマとして模擬講演の発表
今回は目標12 持続可能な生産消費形態を確保するというテーマと目標5、目標8、目標10,目標16の人権に関しての発表があった。特にバリューチェーンにおいて環境負荷を考えるという切り口では製造業を事例にとり、仕事の棚卸を実施し、プロセスごとに実現可能な業務の一覧表を作成いただき、今後の支援に参考になるものであった。また、人権に関してはカスタマ―ハラスメントに関して質問が集中し、時節を得た内容でもあった。