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(Cの会) 2022年IT10大ニュース

中央支部 鶴田 親

12月9日(金)開催の『Cの会』で毎年恒例、IT・10大ニュースが議論されました。2022年は2021年と違い、ロシア・ウクライナ侵攻等の地政学関連のニュースや、物価高、金利高等の市場関連のニュース等の影響で、IT関連も話題が多かった年でした。
最も関心が多かったニュースは、ロシアのウクライナ侵攻によるデジタル戦争で、情報やデジタルを武器として使用された話題が目白押しでした。各陣営のプロパガンダやストーリーラインがSNSなどの様々なツールで流れており、情報の見極めが重要になったこと、ドローンや分散型ITなど、民間の技術が戦争に多く使われたことからして、従来の戦争と違うステージになっていることは確実だと思います。
SNSの話題としてイーロンマスク氏のTwitter買収が話題になりました。これは買収前の旧経営陣との揉め事だけではなく、買収後も大量解雇を実施したことが印象的でした。また、リモートワーク禁止など、厳しい経営方針が打ち出されていますが、MetaやAmazonなども同時期に大規模なリストラを発表しています。
最近はFTXの破綻でビットコイン等の暗号資産が揺れていますが、一方でグラフィックボード(GPU)の価格は急騰しているようです。これは仮想通貨のマイニングにGPUの相性が良いことや、半導体不足もあり高騰していることが主要因だそうですが、転売屋の暗躍も貢献しているとか。
脅威に関する話題としては、KDDI(au)の大規模通信障害も大きなニュースとなりました。チケットや定期券のトラブルだけではなく、お金の支払いや物流にも大きな影響がありました。利用者への各200円の補償が話題となりましたが、補償より予防によりお金をかけた方が良かったのではとの意見もありました。ところで、2022年夏ごろから、Emotetが再び猛威を振るっているようです。ビジネスメール詐欺等でも多用され、産業界でもサプライチェーンに大きな影響があるようです、この裏にはRaaS(Ransomware as a Service)と呼ばれる闇ビジネスの隆盛や、急場しのぎのリモートワーク環境等、こういった攻撃を増加しうる土壌があったものと思います。
その他の話題として、オンラインツールやローコード・ノーコードツールが発達し、専門知識不要で誰でもアプリ開発や業務利用ができる時代になり、働き方改革としてさらなる多様化・効率化が期待できるようになりました。また、政府の取組みとして、電子帳簿法が改正され、電子取引における電子データ保存が義務化され、加えてインボイス制度が2023年10月から適用されることになり、制度に関するセミナーや講習会が様々な会場で実施され注目を集めています。
2022年の漢字は「戦」(せん)と発表されました。IT分野においても戦争関連や脅威に関するニュースが多く、「戦」を象徴する年だったと思います。2023年は、より平和なニュースが多くなることを祈ります。

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